身近なことから少し難しい専門的なことまで、役立つ知識
城戸先生による実例も交えた基礎知識のご紹介。
今からお家を建てる方にはもちろん、すでにお住まいの方にもきっと役立つお話しです。
結露って何?
まず最初に空気と水の話から始めます。
空気中には水蒸気が含まれています。水蒸気というのは水が気体になった状態、これが液体になると水、
固体になると氷です。この変化が結露と関係してきます。
たとえばジョッキに冷たいビールを注ぐと、ジョッキの外側に
無数の水滴が付きますよね。
また、バスルームの鏡もお風呂の湯気ですぐに曇ってしまいます。
これらも全て結露なんです。
結露の正体は空気中の水蒸気
空気が最大限保有できる水蒸気の量は温度によって決まっていて、温度が高いほど多くの水蒸気が
溶け込めます。もし空気の温度が下がったら、それまで溶け込んでいた水蒸気は気体でいられなくなり、
液体に変わります。
これがいわゆる結露という現象です。
つまり 水蒸気が水滴に変わったのが結露というわけ
結露の正体は、もともと空気中にあった水蒸気なんです。窓ガラスが結露しやすいのは、
外の温度の影響を受けて、いちばん空気が冷えやすい場所だからです。
気温と湿度と結露の関係
結露のメカニズム
空気の中に含むことの可能な水蒸気は温度によって違い、高温ほど多く含むことが出来ます。
たとえば、20℃、湿度60%の空気(図1)が何らかの要因で冷やされて12.2℃になってしまうと、
空気のバケツは小さくなって、今まで入っていた水の量をもつのが精一杯になります。この状態が
飽和状態(図2)で、湿度は100%。更に冷やされると、当然バケツは小さくなった分、水をこぼして
しまうことになります。これが結露です(図3)。
温熱環境って? 室内環境
暑さ寒さは奥が深い
暑さ寒さの感じ方は決して一様ではありません。
年齢や体質で違うでしょうし、身に着けている衣服によっても変わります。また、じっと椅子に
座っているか、忙しく動き回っているか、人の活動量によっても感じ方はずいぶん異なります。
このように暑さ寒さの感じ方にはさまざまな要因が影響を与えていることがお分かりでしょう。
住まいの居心地を左右する温熱環境
私たち現代人はその大半の時間を室内で過ごしています。暑くて汗がダラダラ流れるような
環境や、その逆に寒くてブルブル震えるような環境ではとても快適に過ごすことはできません。
だから衣服や空調などで調整し、快適性を高めようとします。
このように空間における熱や温度の状態=温熱環境は空間の心地よさを大きく左右します。